1. 契約とは「約束」のこと
簡単にいうと契約とは「約束」のことです。物を買ったり、借りたり、またクレジットカードを作ったり、使ったりするのも事業者との契約です。
契約は両者の合意があれば成立します。そのため契約書などがなくても、売り手と買い手の間に契約が成立してしまえば、売り手には商品等を提供し、買い手には代金を支払う義務が生じます。電話でも口約束でも契約は成立してしまうものなのです。
2. 契約書はよく読んで
契約を結ぶかどうか、契約の内容や様式は当事者の自由ですが消費者と事業者が契約を行う場合、業者があらかじめ決めた契約内容に従うことになり消費者にとっては契約をするかしないかという選択しか残されていません。だからこそ契約書はよく読んで慎重に扱うことが大切です。
3. 契約は守るべきもの
いったん契約を結んでしまったら、お互いに契約内容は守らなくてはいけません。一度結んだ契約は一方の当事者から勝手に辞めたり変更したりすることはできないのです。
ただし、明らかに売り手が悪い場合(民法で禁止されている強迫や詐欺をおこなったり、契約した商品と違う物を売りつけたなど)は解約を申し出ることができます。
このような場合以外では、解約するにもお互いの合意が必要です。
4. うっかり契約した時は
例外的に「クーリング・オフ制度」があります。訪問販売などでは契約(申込み)のための書面を受け取った日を入れて8日以内(マルチ商法の場合は20日以内)であれば、書面で契約の解除ができます。
また契約に関して判断が難しい時や、おかしいと思った時には早めに専門家に相談しましょう。
5. 訪問販売で購入する時は
「訪問販売員教育登録証」の提示を求めましょう。
訪問販売は販売員(セールスマン)が消費者の家庭や職場に訪れ、商品やサービスに関して説明を行い販売する商法です。訪問販売自体は違法ではありませんが、悪質な業者も中には存在しトラブルを起こすことも少なくありません。
公的機関の名前を使って商品を買わせようとする「契約を急がせる」「契約書を渡さない」「クーリング・オフなどがはっきり書いていない契約書に署名・捺印をするように求めてくる」というような場合は悪質業者である可能性が高いので注意が必要です。
6. 通信販売で購入するときは
通信販売とは「カタログやダイレクトメール」「新聞の広告」「テレビやラジオのコマーシャル」「インターネット」等で商品を宣伝し、電話やハガキ・Eメールで注文を受けて商品を送るという販売方法です。
直接商品を見ないで取引をすることから、それを悪用する者が多くなってきています。そのため、注文の際には通販会社の社名・住所・連絡先のほか、商品の価格(消費税が内税か外税かも含める)や送料・支払方法と時期、返品や交換に関して確認しておくべきです。(社)日本通信販売協会では加盟している会員に「JADMAマーク」を発行していて、会員会社は広告に表示しています。少しでもあやしい時は、カタログや広告にこのマークがあるか確認しましょう。
通信販売にはクーリング・オフ制度はありません。返品の規定があればそれに従い、ない場合は消費者が送料を負担して返品できます。
7. 契約 失敗しない10ヶ条 《くらしの豆知識》より転載
- 契約先の情報を確認する
会社名・住所・電話番号など、連絡先や身分証などを確認しましょう。 - うますぎる儲け話には注意
無料進呈や激安など、世の中にはそんなにありません。うますぎる話には用心する必要があります。 - 商品の必要性を再確認
特に高価な物を買うときには、それが本当に必要なものかどうか、冷静に考えてみましょう。 - 契約書は署名の前によく読む
トラブルの元にならないよう、契約書は隅々まで読んで確認しましょう。 - 断わるときははっきりと
「結構です」等の返事は相手が「OK」と受け取る場合があるので「お断りします」と伝えましょう。 - 金銭の支払いは後払いに
契約後、その場で金額を払うと後に解約ができなくなることもあります。考える時間も必要です。 - 知識を身につける
どの販売員も悪質という訳ではありませんが、契約の知識を身につけることでトラブルは軽減します。 - しつこい相手には110番を
契約しないと明言したのにしつこく迫ってくるときには、根負けする前に110番しましょう。 - 迷ったら第三者に相談
迷ったら一人で悩まずに、家族や友人・消費者センターや法律相談窓口等の意見を参考にしましょう。 - 商品に関する情報を確認
購入予定の商品の「価格や送料」「支払方法と時期」「商品の到着時期」「返品や交換の可否」を確認しましょう。